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技術で見る音楽史 Part4 テキトーまとめ編

おひさしぶりです。T.B.S.A.です。
長いことブログ更新止まってまして申し訳ない。

久しぶりということで、ひとまずこれまでのおさらいといきましょう。
たしかロマン派あたりまでやったかやらないかの辺りで止まっていたような…。

というわけで、簡単に振り返ってみましょう。


まず、最初は教会音楽なんかに代表されるメロディが1個、1パートしかない音楽。
こっから2パート、3パート…と増え、上手いことハモるにはどうするか、ということを昔の人は考え始めました。

上のメロディをこう動かして、下のメロディをこう動かしたら次の音はきれいにハモる…という感じの
『対位法』と呼ばれるものの時代。

で、和音という概念が生まれます。

これがここまでの時代。


次の時代のテーマは和音をいかにうまく繋げるか。
この時代の人たちは和音を繋げるためのルールを作り始めます。

これが『和声法』と呼ばれる理論です。

ポイントとしては理屈の体系がメロディ主体→和音主体になった…という点ですね。

で、この『和声法』ですが、副産物がありました。
調性と言われるもので、
難しくいうと「ドミナント・モーションによる調性の確立」。

ピアノに合わせてお辞儀をするときの

「ジャーン♪ ジャーン♪ ジャァァァーーーーン♪」

というアレ。

あの和音の並びかたを聴いたときに
「あっ、これはハ長調だな!」「じゃあこれだとト長調だな!」とかが決まるというお話。

例えるならば、

『途中過程は見ていないが、ぐったりしているヒーローに向かって、女の人が丸い物体を投げつけたかと思ったら、
ヒーローの頭が物体と入れ替わり、元気になったヒーローが悪者を渾身のパンチでぶっ飛ばす……という部分だけを見ればアンパンマンを見ていたんだとわかる。』

『謎の爺の左右にいるお付きのものが、懐から印籠を出すシーンだけ見れば、その時代劇が水戸黄門だとわかる。』

みたいなもんです。

これがドミナント・モーションなわけです。

こういうシーンがあったらこの作品だよってのと同じで、この和音がこういうつながり方をしたらこの調だよ、的なものだと思ってください。


んで、あとの時代は20世紀になるまでずーーーーっとこれを拡張し続けただけです。

古典派だのロマン派だのありますけど、20世紀までずっと100年以上「あれも使えんじゃね?これも使えんじゃね?」ってやってただけです。



で、拡張しまくった結果。

ガバガバになりました。

というのも、拡張のために本来の調から離れた別の調からいろいろ借りてくる、という技法が発展したためでもあります。



"最初に働いてた職場に職員が人が足りなくなり、関連企業から人を借りていたが、
それでも足りないのでバイト雇いまくった結果、現場には社員不在、バイトと派遣しかいない職場"
…みたいな状況って言えば想像しやすいかもしれません。


悪い例えを出しましたが、逆に言とこれは音楽に彩りと多様性と表現力をもたらしました。
ロマン派とかそのあたりがそうですね。
早めの転調、ディミニッシュやオーギュメントのような曖昧な和音の多用。

これらは美しくて詩的な曲を作り上げるのに、おおいに貢献しました。



で、話をもどしますと、それらの多用は本来の調性を曖昧にする、という現象を引き起こしました。
要素盛り込みすぎて、もとがなんだかわかんねぇよ!!ってな具合です。

「機動戦士ガンダム」ってタイトルがついてるのに、主人公が天元突破しちゃったり、パイルダーオンしちゃったり、
トラパーの波に乗っちゃったり、ガンダムだと思っていたものが実は人造人間でお偉いさんが人類補完計画発動しちゃったり

……ってシーン盛り込みまくったら、もはやガンダムじゃねーよそれ!ってなるみたいな。


そんなわけで、ドミナント・モーションの拡張は多様性をもたらすとともに、
本来の調性というものを曖昧にしてしまう、という課題を生みました。



さて一応、ここまでのまとめのまとめをすると、


「磯野ー!対位法やめて、和声法使おうぜー!」「和声法ええやん。調性ハッキリするし。ドミナント・モーション使ったろ!」「ドミナント・モーションのパターン増やしていろんな曲作れるようにするやでー!」「遠隔調から失礼するゾ~!この曲、一時的な転調多すぎィ!自分、曖昧な調性いいすか? 」


です。

これが19世紀までの、おおまかな、本当におおまかな流れです。
適当ですけど、だいたいこんな感じです。

19世紀の功績として「ドミナント・モーションの拡張によって多様な音楽が生まれた。」、
課題として「調性が薄くなった。」

この2点だけ覚えて貰えれば幸いです。

そしてこの2点が次回説明する20世紀以降、「現代音楽」と言われる音楽に影響してくるわけです。

つーことで、次回「現代音楽編」お楽しみに。


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